ふらっと読書録

小説好きのサラリーマンによる読書録。ネタバレ込みで感想を記録します。

存在のすべてを/塩田武士

 

あらすじ・書籍情報

著者   : 塩田武士
出版   : 朝日新聞出版
初版   : 2023年9月30日
ページ数 : 464

こんな人におすすめ!

  1. 「至高の愛」に触れたい人
  2. 本屋大賞のノミネート作品に興味がある人

登場人物

  • 門田 次郎(もんでん・じろう) ・・・新聞記者。30年前の誘拐事件の謎を追う。
  • 内藤 亮(ないとう・りょう)・・・誘拐された3年後に帰ってきた少年。
  • 土屋 里穂(つちや・りほ) ・・・亮の学生時代の同級生。

感想

緊迫した誘拐事件のシーンからはじまる。警察の奮闘も空しく、誘拐された「内藤亮」という少年が帰ってくることはなかった。

しかし、事件から3年が経ったある日、亮は祖父母の家に帰宅する。

彼は3年の間、一体どこで何をしていたのか?謎に包まれたまま、事件は幕を閉じる。

30年後、事件当時に警察を担当していた新聞記者の門田は、当時活躍した刑事・中澤の死をきっかけに、亮が誘拐されてから帰ってくるまでの「空白の3年」の秘密に迫るため、様々な人物のもとを訪れます。

関係者を訪ね歩いて得たピースを正しく嵌め込むうちに浮かび上がってきたのは、犯罪とは対極にあるはずの「愛情」であった

次第に明らかになったのは、亮が「とある画家」のもとで3年を過ごしたということ。

誘拐された亮は本当に不幸だったのか?本当の家族とは何か?

読んでいるうちに自然と考えさせられました。

2024年の本屋大賞にノミネートされたことがきっかけで手に取りました。2020年に本屋大賞を受賞した凪良ゆうさんの『流浪の月』と似た雰囲気もありました。

ページ数が多いので、じっくり味わいながら読んでみてください。