ふらっと読書録

小説好きのサラリーマンによる読書録。ネタバレ込みで感想を記録します。

コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店

 

あらすじ・書籍情報

九州だけに展開するコンビニチェーン「テンダネス」。その名物店「門司港こがね村店」で働くパート店員の日々の楽しみは、勤勉なのに老若男女を意図せず籠絡してしまう魔性のフェロモン店長・志波三彦を観察すること。なぜなら今日もまた、彼の元には超個性的な常連客(兄含む)たちと、悩みを抱えた人がやってくるのだから…。コンビニを舞台に繰り広げられる心温まるお仕事小説。6編の連作短編集。

著者   : 町田その子
出版   : 新潮文庫
初版   : 2020年8月1日
ページ数 : 348

こんな人におすすめ!

  1. 心温まるストーリーに癒されたい人
  2. 人生に悩みを抱える人

登場人物

  • 志波 三彦(しば・みつひこ) ・・・テンダネスの店長。
  • ツギ・・・街の「なんでも屋」。
  • 中尾 光莉(なかお・みつり)・・・テンダネスの従業員。漫画を描くのが趣味。
  • 桐山 良郎(きりやま・よしろう)・・・漫画家になる夢を諦めた塾講師。

感想

テンダネスというコンビニのイートインスペースを中心に、門司港の悩める人々が集まり、彼らなりの一歩を踏み出す瞬間が描かれます。

一度夢を諦めた塾講師、人間関係に悩む女子中学生、還暦を迎えた男性などがテンダネスに来店します。

コンビニを利用する客の姿、そこにある悲喜こもごもを見るのが何よりしあわせなのだ

テンダネスの店長・志波や「なんでも屋」のツギは、各短編の脇役として登場し、訪れる人々を陰からサポートする役回りです。

誰かしらの悩みに共感し、感動できる小説だと思いました。