ふらっと読書録

小説好きのサラリーマンによる読書録。ネタバレ込みで感想を記録します。

綾辻行人 館シリーズ全作紹介【ネタバレなし】

有名ミステリー、綾辻行人の「館シリーズ」のあらすじを紹介します。

各作品の間に直接的なつながりはないため、どの作品から読んでも楽しめますが、共通の登場人物がいるため第1作から順番に読むのがおすすめです。

第1作 十角館の殺人 ~ページを捲った瞬間に訪れる、衝撃の1行

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。ミステリ史上最大級の、驚愕の結末が読者を待ち受ける!
1987年の刊行以来、多くの読者に衝撃を与え続けた名作が新装改訂版で登場。

原点にして頂点。ミステリー好きなら必読の一冊。次作も読みたくなること間違いなしです。

第2作 水車館の殺人 ~過去と現在をつなぐ仮面の主人

仮面の当主と孤独な美少女が住まう異形の館、水車館。1年前の嵐の夜を悪夢に変えた不可解な惨劇が、今年も繰り返されるのか? 密室から消失した男の謎、そして幻想画家・藤沼一成の遺作「幻影群像」を巡る恐るべき秘密とは……!? 本格ミステリ復権を高らかに謳(うた)った「館」シリーズ第2弾、全面改訂の決定版!

「十角館」に登場した島田潔が、中村青司が建築を手がけた水車館を訪れます。1年前と現在の出来事が平行して語られてゆき、最後に真相が明らかになります。

第3作 迷路館の殺人 ~ミステリ作家・鹿谷門実の登場

奇妙奇天烈な地下の館、迷路館。招かれた4人の作家たちは莫大な“賞金”をかけて、この館を舞台にした推理小説の競作を始めるが、それは恐るべき連続殺人劇の開幕でもあった! 周到な企みと徹底的な遊び心でミステリファンを驚喜させたシリーズ第3作、待望の新装改訂版。初期「新本格」を象徴する傑作!

シリーズの中でも人気が高い作品。正統派のクローズドサークル。これ以降の作品を読む上で必読の作品だと思っています。

第4作 人形館の殺人 ~異色の館、迫りくる影

父が飛龍想一に遺した京都の屋敷――顔のないマネキン人形が邸内各所に佇(たたず)む「人形館」。街では残忍な通り魔殺人が続発し、想一自身にも姿なき脅迫者の影が迫る。彼は旧友・島田潔に助けを求めるが、破局への秒読み(カウントダウン)はすでに始まっていた!? シリーズ中、ひときわ異彩を放つ第4の「館」、新装改訂版でここに。

シリーズの中では異彩を放つ作品。飛龍想一という男の一人称で語られる。

第5作 時計館の殺人 ~シリーズ最大スケールの殺人劇

鎌倉の外れに建つ謎の館、時計館。角島・十角館の惨劇を知る江南孝明は、オカルト雑誌の“取材班”の一員としてこの館を訪れる。館に棲むという少女の亡霊と接触した交霊会の夜、忽然と姿を消す美貌の霊能者。閉ざされた館内ではそして、恐るべき殺人劇の幕が上がる!第45回日本推理作家協会賞に輝く不朽の名作、満を持しての新装改訂版。

シリーズの中でも人気が高い作品。個人的にも一番好きな作品です。「十角館」に登場した江南孝明が再登場。

第6作 黒猫館の殺人 ~記憶を失った老人

大いなる謎を秘めた館、黒猫館。火災で重傷を負い、記憶を失った老人・鮎田冬馬(あゆたとうま)の奇妙な依頼を受け、推理作家・鹿谷門実(ししやかどみ)と江南孝明(かわみなみたかあき)は、東京から札幌、そして阿寒へと向かう。深い森の中に建つその館で待ち受ける、“世界”が揺らぐような真実とは!? シリーズ屈指の大仕掛けを、読者(あなた)は見破ることができるか?

読者の腕が問われるようなトリックです。じっくり読み進めるのがおすすめ。

第7作 暗黒館の殺人 ~闇の一族、恐怖の宴

蒼白い霧の峠を越えると、湖上の小島に建つ漆黒の館に辿り着く。忌まわしき影に包まれた浦登(うらど)家の人々が住まう「暗黒館」。当主の息子・玄児に招かれた大学生・中也は、数々の謎めいた出来事に遭遇する。十角塔からの墜落者、座敷牢、美しい異形の双子、そして奇怪な宴……。著者畢生(ひっせい)の巨編、ここに開幕!

超大作。シリーズファンなら必ず読むべき。理由は読めばわかります。

第8作 びっくり館の殺人 ~幼き記憶、密室の惨劇

あやしい噂が囁かれるお屋敷町の洋館、その名もびっくり館。館に住む少年と友だちになった三知也たちは、少年の祖父が演じる異様な腹話術劇におののくが……クリスマスの夜、ついに勃発する密室の惨劇! 悪夢の果てに待ち受ける戦慄の真相とは!? ミステリーランド発、「館」シリーズ第8弾、待望の文庫化。

個人的にはシリーズの中で一番不気味な作品。節々に現れる挿絵が恐怖を煽ります。

第9作 奇面館の殺人 ~仮面を被った客人達

季節外れの吹雪で孤立した館、奇面館。主人影山逸史に招かれた六人の客はそれぞれの仮面を被らされた。前代未聞の異様な状況下で、事件は進展する。主人の〈奇面の間〉に転がっていたのは、頭部と両手の指を切り落とされた凄惨な死体。六人の仮面には鍵がかけられていた。名探偵・鹿谷門実の圧巻の推理が始まる!

シリーズ最新作(2023年8月現在)。全員が仮面を被らされた異様な状況だからこそ起こる事件とトリック。