ふらっと読書録

小説好きのサラリーマンによる読書録。ネタバレ込みで感想を記録します。

黄色い家/川上未映子

 

あらすじ・書籍情報

著者   : 川上未映子
出版   : 中央公論新社
初版   : 2023年2月25日
ページ数 : 601

こんな人におすすめ!

  1. 考えさせられるような小説を読みたい人
  2. 本屋大賞ノミネート作品を読みたい人

登場人物

  • 伊藤 花(いとう・はな)・・・主人公。母親に愛想をつかし、黄美子と共に暮らし始める。
  • 吉川 黄美子(よしかわ・きみこ)・・・花のもとに突如やってきた女性。
  • 加藤 蘭(かとう・らん)・・・花・黄美子と共に暮らす。
  • 玉森 桃子(たまもり・ももこ)・・・花・黄美子と共に暮らす。

感想

冒頭の時点で、どう転んでもハッピーエンドにはならないことがわかる。

破滅に向かって少女たちがどんな道筋を辿るのかを見守るような読書体験。

罪を犯すことはいけないことのはずなのに、身分証もなく銀行口座さえ作れない花ちゃんが通れる道はこれしかなかったのでは、と考えてしまう。

「親ガチャ」という言葉はあまり好きではないが、花ちゃんはまともな家に生まれてさえいればまともな道を進めただろう。

母親がピースサインで「200万貸して」と言ってきたシーンはゾッとしすぎてホラーかと思った。