あらすじ・書籍情報
こんな人におすすめ!
- 心温まる物語を読みたい人
- 2024年の本屋大賞ノミネート作品に興味がある人
登場人物
- 雄町 哲郎(おまち・てつろう) ・・・原田病院で働く内科医。通称「マチ先生」。
- 美山 龍之介(みやま・りゅうのすけ)・・・哲郎の甥。中学生。母親を亡くしたため、哲郎が面倒を見ている。
- 南 茉莉(みなみ・まつり)・・・研修医。研修の一環で原田病院を訪れる。
- 花垣 辰雄(はながき・たつお)・・・大学准教授。医師としての哲郎を信頼している。
感想
スピノザの面白いところは、人間の努力というものを肯定した点にある。
すべてが決まっているのなら、努力なんて意味がないはずなのに、彼は言うんだ。
"だからこそ"努力が必要だと
医師として非凡な実力を持ちながら、とある理由で京都の小さな病院に勤めている哲郎と、個性豊かな医師たち。みんな優しくて心が温まる...
人は何のために生まれて、どこへ向かうのか。皆にかならず訪れる「死」の直前に、人は何を思うのだろう。想像すると不安が止まらなくなる。
マチ先生のようなお医者さんに最後に出会えたら、安心して旅立つことができるんだろうな。
願ってもどうにもならないことが、世界には溢れている。
意志や祈りや願いでは、世界は変えられない。
そのことは、絶望なのではなく、希望なのである。
オランダの哲学者・スピノザが残した言葉。
「意志の力だけではどうにもならない」と説く一方、「だからこそ努力すべき」と。
理解できるようで理解しきれない感じがします。
マチ先生やスピノザが真に言いたかったことは何なのか、考え続けたい。